金融機関に融資を申し込んだけれども、断られたという経験をしている経営者は少なくありません。
その際に、よく言われている理由が、「総合的に勘案して、今回の融資は見送らせていただきます」というもの。この理由だけを聞いて、そのまま引き下がっていては、その後の資金調達に支障をきたします。
今回は、「次の資金調達を確実に行うために、銀行から融資を断られた時に絶対にしておくべきこと」について
解説致します。
1.断られた理由は必ず具体的に聞く
融資を断られた時にまずすべきことは、「断られた理由を具体的に聞くこと」です。
断られた理由を聞いて、自分たちの何に問題があったかを把握しておかないと、その点を改善できません。問題点を改善できなければ、何度申し込んでも断られます。逆に、問題点を改善出来たのであれば、前回申し込んだのが、たとえ3ヶ月前でも、再び申し込むことは可能になります。
2.断られた理由を聞いてもまともに応えてくれないときの対処法
「断られた理由を聞いても、まともに答えてくれない」と、ほとんどの方は思っていると思いますが、金融機関には、融資を断った際に、理由を言わなければならないよう、金融庁から指導されているのです。
金融庁は金融機関に対して、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」に基づいて、監督・指導をしています。その「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の中に、「②顧客の要望を謝絶し貸付契約に至らない場合これまでの取引関係や、顧客の知識、経験、財産の状況及び取引を行う目的に応じ、可能な範囲で、謝絶の理由等についても説明する態勢が整備されているか。」という監督指針があるのです。
なので、断った具体的な理由を教えてもらえなかった場合には、「「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針 平成28年6月」の「II 銀行監督上の評価項目」「II -3 業務の適切性」「II -3-2 利用者保護等」「II -3-2-1-2 主な着眼点」(6)取引関係の見直し等の場合の対応②顧客の要望を謝絶し貸付契約に至らない場合に「融資を断った際は、時間的余裕を持って、その理由を説明しなさいとなっていますが、お答えいただけないのですか?」
と言ってみてください。大抵の場合は、説明してくれると思います。それでも説明がなければ、金融庁に対して問い合わせをしてみれば、最終的には説明してもらえるでしょう。
「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針 平成28年6月」
http://www.fsa.go.jp/common/law/guide/chusho/index.html